<要旨>

 

LRTの活用による車依存型社会からの脱却

−中心市街地活性化などのまちづくりにも効果が−

 

視点

現在の日本は、環境問題や高齢化問題に直面しており、人と地球に優しい生活が求められている。LRTの導入はそのための有効な手段のひとつであると考える。

1960年代後半からの急速なモータリゼーションの進展により、日本の都市はスプロール化していった。都市のスプロール化は公共交通の衰退を招き、地方都市を中心に「車がなくては生活できない。」という車依存型社会が形成されていった。車依存型社会は交通弱者の利便性低下、交通渋滞、交通事故、環境汚染など様々な問題の要因となっており、大きな社会的課題となっている。各地の自治体は公共交通を活性化することで車依存型社会からの脱却を図ろうとしており、なかでも次世代路面電車と呼ばれるLRTへの関心が高まっている。

中心市街地の空洞化が問題視されるようになって久しいが、LRTは市街地の活性化にもつながるものであり、地域金融機関である信用金庫にとっても関わりがある問題と言えよう。

そこで、本稿では、LRTの導入を軸に公共交通を充実し、車依存型社会からの脱却を図っている都市の取り組み事例とLRT導入の条件について紹介する。

 

要旨

l         LRTは、輸送力、定時性などで路線バスより優れ、建設コストや乗降の容易性などで鉄道・モノレールより優れているという特徴を持つ。

l         日本では06年4月に富山県富山市において、JR富山港線からLRTに転換した「富山ライトレール」が開通し、利用客数の増加、沿線商店街の歩行者・自転車交通量増加など一定の効果が表れている。日本各地の都市でLRT導入に向けた検討がなされているが、現状、具体化したのは富山市のみである。その中で、栃木県宇都宮市は日本初の全路線新規軌道のLRT導入を目指しており、動向が注目されている。

l         日本よりも数十年早く車依存型社会が到来した欧米では、80年代以降、LRT導入により公共交通を活性化し、まちづくりの軸となった例が数多くみられる。

l         LRT導入の条件としては、まちづくりビジョンの作成、採算性確保、住民も含めた合意形成の3つがあげられる。特に合意形成においては、首長のリーダーシップが重要である

キ−ワード

 車依存型社会、公共交通、LRT、まちづくり、中心市街地活性化、CO2

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