<要旨>

通過型観光地からの脱却を目指すキーワード「三感四温」

−滞在時間延長を成功させるための5つの策−

 

キ−ワード

      

     観光、通過型、滞在時間、まちづくり、地域活性化、地域資源

 

視点

 

 近年、地域経済の活力アップを目的に観光客を呼び込む努力をしている市町村は数多く見受けられ、そのうちのいくつかは努力が結実し、観光客を増加させている。

 しかし、高速交通網の充実などの影響で、観光客の行動は時間的に短縮化する一方で、地域的には広域化する傾向にある。これは、観光客数は増加するものの、滞在時間が短くなるという現象を招いている。このため、一般的に「通過型観光地」と呼ばれるところが多く存在するようになった。こうした地域では、観光客の購買、消費は些少であり、地域経済への貢献度はかなり低い。全国の信用金庫には、こうした通過型観光地を地盤とするところも多く、この問題への関心も高い。

 そこで、本稿では、観光による地域経済活性化を実現する手助けとなるよう、全国各地で多数見られる通過型観光地において、観光客から得られる経済効果を高めるための取組みの方向性や事例、実際に取り組んでいく際に必要な施策を紹介したい。  

 

要旨

 

l         通過型観光地では一人当たりの消費額は減少傾向がみられる。観光客の消費意欲を高める場合、3時間以上滞在してもらうための取組みを考えると効果が期待できる。

l         滞在時間を長くするためには、過去から伝承され未来に継承すべき、地域の文化、歴史、自然といった地域資源を活用して、「観る」だけではなく「行動(食べる・飲む・歩く・学ぶ・創る・触れる等)」し「楽しんで」もらうことが必要である。

l         地域の食文化を味わい「感動」し、歴史を学び「感心」し、自然に触れて「感激」してもらえる「三感」のために、住・民・産・官の四者が感謝の気持ちを忘れずに温かい気持ちで観光客を迎える「四温」、つまり「三感四温」がキーワードである。

l         地域資源を活用して滞在時間延長に成功するためには、観光客動向に関する実態把握、本物を提供できる商品開発、マスコミ等と協調した情報発信、ホスピタリティ溢れる人材育成、観光地としての品質向上のための仕組みづくり、の5つの策があげられる。

 

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