1.関税引き下げ、非関税障壁撤廃など日本へのメリットも大

  200112月、中国がWTOへ正式加盟した。中国のWTO加盟は、これまで外資企業を悩ませてきた中央と地方の政策の不一致、外国人料金の適用など政策的問題を是正する契機となる。市場開放では大幅な関税の引き下げやサービス分野での段階的な投資制限緩和が実施されるが、同時に外資企業にとっては貿易が自由化され、生産活動に対する様々な制限がなくなり、ニセモノ対策が強化されるなどの点で非常にメリットがある。この数年、日本から中国への生産移転が活発化し、日本経済の空洞化が言われている。ただ、中国のWTO加盟に伴う関税引き下げ、非関税障壁撤廃は日本企業による対中輸出の一段の増加をもたらすなど経済的利益も少なくない。

2.短期的には中国の一部産業界に打撃も

  目先的には中国の農業、自動車、化学など競争力の弱い産業分野に打撃を与えると予想されており、これに伴って雇用問題も深刻化するとみられている。WTO加盟後は為替政策が一段と重要になってくることから、当面、中国政府は人民元相場を弾力的に変動させる考えを示している。

3.WTO加盟を契機に中国市場をターゲットとしたビジネスが活発化へ

  中国のWTO加盟に伴って、外国企業の対中投資が積極化している。中国政府もこれまで以上に柔軟な発想と対応で外資導入を促進しようとしており、対中ビジネスに際しては今後の政策動向を注視する必要がある。WTO加盟を契機として、対中投資はサービス産業を中心に内販型が増加してくると予想されるが、最も重要となってくるのは中国市場の趨勢をよく見極めることである。上海、北京などの大都市では消費市場が高度化し、より質の高い製品やサービス、レジャー等への需要が拡大する傾向にある。

4.対中ビジネスでは日米欧企業に平等のチャンスがある

  中国市場では日本企業の停滞、欧米企業の躍進が言われるが、日本企業のプレゼンス低下は一時的な要因によるところが大きく、日米欧の中国進出企業の収益性に決定的な相違はない。対中投資に王道はなく、如何なる形態により、如何なる規模で如何なる市場をターゲットとして中国に投資するかはケース・バイ・ケースである。対中ビジネスの第一歩は、一部のマスコミや世間の定説に惑わされず、自身の目で冷静に中国市場を判断し、友好を超えたビジネスの領域で中国に接することである。

 

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