1. 酒類市場は約6兆円

酒類は、国民から税金(酒税)を徴収するための戦略物資のひとつであることから、その製造から販売に至るまでの過程は、基本的に国税庁主管の「酒税法」の管理下に置かれている。酒類の製成(生産)数量は年間約950万キロリットルにも及び、末端消費金額ベースでは6兆円近い巨大市場を形成しているものと推定される。

2. 酒類製造業者の分布状況は地域色を反映

酒類の多くは、その土地で産出される原材料や水などを使用しながら、その土地ならではの逸品として造られる、極めて地域性の強い商材である。実際、酒類製造業者の分布状況をみても酒の種類よってある程度その地域性が認められ、地域によっては地場産業の様相を呈しているケースもめずらしくない。

3. 酒の種類ごとに大きく異なる業界事情

一概に酒類といっても、清酒(日本酒)、焼酎(甲類、乙類)、ビール、果実酒類(ワイン等)、ウイスキー類など、それぞれの種類によって原材料や製法がまちまちであることなどから、手がけている酒の種類によって、需要(消費)動向や競合状態など、業界事情が大きく異なっている点に留意する必要がある。

4. 中小酒類製造業者も激変する販売環境への対応が急務

90年代半ば以降の酒類製造業者をとりまく事業環境は、酒販免許規制の緩和による急激な流通チャネルの変化と、割安な発泡酒市場の急拡大や輸入酒台頭などに起因する低価格競争の激化、などで急速な変革を遂げながら今日に至っている。今後についても、酒類販売が2003年秋には事実上“自由化”される見通しにあることなどから、酒販分野への新規参入が一段と活発化するのは必至とみられ、中小酒類製造業者にとってもこうした販売環境変化のなかで“従来の酒販店以外の店頭にも並ぶ商品”として取り扱われていくことへの対応が急務となっている。具体的には、@積極的なプロモーション活動で“こだわりの部分”をアピール、A“地域ブランド”の確立で“ナショナルブランド”と差別化、B飲酒スタイル提案などによる需要喚起、などへの対応が一段と求められていくことになろう。

5. 事例紹介

酒類製造業者の取り組み事例として、清酒製造業2社のケースを紹介する。

 

 

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