<要旨>

地域経済の動向と産業構造の変化

−成長分野のサービス業でも地域間格差が大きい−

 

(キーワード)地域経済、産業構造の変化、構造調整圧力、空洞化、サービス化、

地域間格差

1.2002年度の地域経済〜輸出主導で回復も、構造調整圧力で民需は伸び悩み

2002年度の日本経済は輸出主導の回復となり、鉱工業生産を地域別にみると、IT不況の反動で電機が回復した東北地方、国際競争力の強い輸送機械のウエイトが高い中部地方、中国地方が相対的に高い伸びを示した。ただ、構造調整圧力にさらされていることから、鉱工業生産のレベルは各地域とも低く、設備の過剰感も解消されていない。失業率は景気回復下でも上昇し、民需(個人消費、住宅投資、設備投資)は伸び悩んだ。

2.地域の産業構造は90年代に大きく変化〜製造業、商業で事業所数が大きく減少

地域の産業構造は90年代に大きく変化した。サービス業が伸びる一方、生産拠点の海外シフトを主因に製造業の事業所数は大きく減少した。製造業の地域別特徴をみると、工場の誘致に努めた東北の生産性は、水準こそ依然低いものの、90年代に大きく向上した。一方、福井、秋田などの地域では輸入シェアが高い業種のウエイトが大きく、今後、製品の高付加価値化や差別化の必要性を迫られよう。製造業以外では、零細商店を中心に小売業の事業所数減少が顕著だが、大規模店の雇用増で従業者数の減少は緩和されている。商店街の空洞化が深刻化しているが、店舗改装、販促の強化といった対策を講じている商店街では客数が増加しているところも多い。

3.サービス業では首都圏の優位性が顕著〜地方でのサービス業の育成が急務

成長分野であるサービス業の事業所・従業者数をみると、高齢化で医療・福祉関連の伸びが高い。情報関連や派遣の伸びも高いが、この分野では大都市圏の優位性が目立つ。特に関東のサービス業は生産性が高く、域際サービス収支は大幅な出超を記録している。地方圏では観光業を含めてサービス業の育成が急務である。こうした状況下、南関東、特に都心への人口集中が再び加速している。地域別の所得・雇用環境をみると、東京、愛知は良好だが、大阪は厳しく、大都市間でも格差が大きい。東京一極集中を是正し、地域を活性化するためには、政府が大胆な規制緩和を行うのと同時に、各地域はその特性を活かした産業の育成に努める必要がある。

 

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