<要旨>

日本経済の中期展望

04〜08年度の年平均実質成長率は1.9%と予測〜

 

1.今後5年間の年平均実質成長率は1.9%と予測〜民需主導の自律回復は07年度以降

04年度から05年度の景気は、輸出と設備投資を中心に堅調な推移が予想されるが、個人消費の本格回復までは期待できない。06年度には、米景気の減速などで日本の景気も調整局面となろうが、構造調整が一巡する07年度以降は、企業部門の回復が家計の所得増を通じて個人消費に波及するといった景気の自律回復メカニズムが働き始める可能性が大きい。

2.家計部門の回復力は緩慢〜税・社会保障負担増が個人消費の抑制要因

雇用・所得環境は足元で悪化に歯止めがかかったが、企業のコスト削減姿勢は根強く、05年度までは下押し圧力が大きい。06年度以降は、景気回復に応じた雇用・所得の回復が期待できるが、家計の税・社会保障負担の増加が続くため、可処分所得の回復テンポは抑制されよう。実質個人消費は予測期間を通して1%台の伸びにとどまると予想される。

3.設備投資は引き続き景気回復のけん引役〜05年度以降は非製造業も回復へ

設備投資は企業収益の回復を背景に回復テンポを高めている。一方、過剰設備の廃棄も続けており、製造業を中心にストック調整は進展している。スクラップ・アンド・ビルドによる産業の活性化で、企業部門は好循環に入ってきたとみられる。非製造業のストック調整がほぼ一巡すると想定している05年度以降は、設備投資の裾野が広がる可能性がある。

4.需給ギャップの縮小テンポは緩やか〜GDPデフレーターのプラス転換は07年度と予測

コア消費者物価(生鮮食品を除く総合)でみたデフレは05年度中に解消すると想定した。GDPギャップが解消するにはなお時間を要するが、07年度にはGDPデフレーターもプラスに転換しよう。当研究所の予測を前提に、量的緩和の解除は05年度下期と想定した。長期金利も名目成長率の回復に応じて、徐々に水準を切り上げると予想される。

 

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