要旨

中国経済の台頭と日本との協調発展の可能性

−デフレ・空洞化などマイナス要因もあるが、市場としての魅力は増大−

 

(キーワード)中国経済、世界の工場、日中関係、デフレ、空洞化、人民元相場、

                  WTO加盟、巨大市場、市場開放

 

1.高まる中国経済のプレゼンスとその影響力〜経済規模のみならず質的にも向上

中国は「世界の工場」と称され、世界経済へ与える影響力を一段と強めてきている。すでに、世界の製造業生産や輸出額に占める中国のシェアは日米独に次いで第4位の規模に達しているほか、90年代以降はローテク製品のみならず、IT(情報技術)関連製品を中心としたハイテク製品分野でも輸出シェアを高めてきている。輸出主導型の工業化をリードしているのは外資企業であり、今後も外資企業が中国経済において活躍の場を広げるにつれて、中国の国際競争力はさらに強化される可能性が高い。

2.中国のデフレ輸出と人民元相場の行方〜通貨バスケット・ペッグ制などで変動幅を拡大へ

こうしたなか、日米の政財界などでは中国による輸出攻勢が世界的なデフレ現象をもたらし、諸外国の雇用を奪っているとの批判が高まり、人民元の切り上げ圧力が増している。日本の場合でも対中輸入の割合が増えるほど国内物価が下落するという強い相関関係があり、日中の財・サービスの価格差は大きく、日本企業の生産性向上努力だけでは埋められない状況にある。内外価格差による貿易不均衡を是正するためには為替レートの調整が有効な手段であり、人民元相場の切り上げには必然性がある。中国政府も通貨バスケット・ペッグ制の導入などによる人民元相場の変動幅拡大を考慮している。

3.中国の巨大市場をいかに攻略するか〜中小企業にとっては販路拡大が最大の課題

中国経済は日本経済にとって「脅威」の存在になりつつあるが、日中経済は基本的には相互補完関係にあり、中国のWTO加盟を契機として日本企業のビジネスチャンスも拡大している。経済の高成長を背景に、都市部では約8000万人もの富裕層がおり、彼らの消費レベルは1970年代後半の日本のレベルに相当する。日本の中小企業にとっても、中国の富裕層は絶好のターゲットになり得る。中国でのビジネスチャンスを確実に掴むためには、様々な方法を活用して販売ルートを確保することが重要になってくるとみられる。

 

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