地方行財政改革の背景とその行方

−「三位一体の改革」、「市町村合併」は待ったなしの情勢−

 

(キーワード)地方財政、地方行財政改革、三位一体の改革、地方交付税、税源委譲、市町村合併

 

(要 旨)

1.苦境に立たされる地方財政〜地方の財政基盤強化が喫緊の課題

日本の国・地方の長期債務残高は、欧米と比べて異例の高水準にある。不況の長期化による地方の税収不足を国からの財政移転で穴埋めする状態が続いていることが、国の財政悪化を助長している。国の財政再建のためには地方への支出を抑制せざるを得ないが、地方債残高の累増にみられるように地方財政も危機に瀕している。少子・高齢化の進展が財政基盤の更なる脆弱化をもたらすことも勘案すれば、地方の歳出効率化と税収力強化は喫緊の課題といえよう。

2.地方行財政改革は待ったなしの情勢〜三位一体の改革への注目が集まる

財政再建と地域経済の活性化には地方分権の推進が不可欠との観点から、地方行財政改革に関する議論が活発化、「地方交付税制度の見直し」、「国庫支出金の削減・廃止」、「税源委譲」を三位一体で進める方針が打ち出されている。三位一体の改革に踏み切った場合、財政面での地域間の不平等感が緩和し、大規模自治体を中心に財政的に自立する市町村の増加が見込まれる一方で、地方圏を中心とした小規模自治体では、大幅な歳入減などにより行財政運営が立ち行かなくなる恐れもある。三位一体の改革・歳出削減とともに、財政基盤が脆弱な自治体を支援するための財政調整システムの再構築も必要となる。

3.三位一体の改革と並行して、市町村合併への気運も高まる

地方分権の推進、行財政の効率化などといった観点から、市町村合併が注目を集めている。試算では、自治体による市町村合併の準備組織である法定合併協議会が設置された市町村すべて(2003年1月15日現在791)が合併に踏み切った場合、年間約1.7兆円の歳出削減効果が見込まれる。その際、人口規模が小さな市町村ほど大幅な削減効果が期待できるため、地方圏を中心に行財政の効率化が期待できよう。

 

全文を見る