サービス経済化の進展と雇用動向

−高齢社会とアウトソーシングが新市場開拓のポイント−

 

 

キーワード:サービス、高齢社会、アウトソーシング、規制緩和、雇用創出

 

1.90年代以降もサービス業は堅調な伸び−欧米との比較ではなお拡大余地

第3次産業は、趨勢的に日本経済に占めるウエイトを高め、就業者数で60%台半ば、GDPで70%強の規模まで成長した。所得水準の上昇とともにサービス経済化が進む傾向があるが、欧米先進国との比較ではサービス業の拡大余地はなお大きい。サービス業は労働集約的な性格から雇用創出力が高く、高齢社会、IT、環境に関連するサービス分野の市場拡大が顕著である。

2.企業、家計ともサービス支出が拡大−アウトソーシングと高齢化が促進要因

サービス業の成長は、企業の外部業務委託の活発化によって支えられてきた側面も大きい。企業は設備にリース、雇用に派遣を活用し、一般事務からシステムなど専門性の高い業務にまでアウトソーシングを利用している。家計も情報通信・教養娯楽サービスに対する需要を高め、モノからサービスへ支出をシフトさせている。今後は、少子化で家賃や従来型の教育サービスに対する支出が縮小する一方で、女性の社会進出により家事の外部化が活発化しよう。また、高齢化の進展で医療・健康分野の市場・雇用規模の拡大が予想される。

3.雇用の受け皿として期待が大きい新分野サービス産業−カギを握る規制緩和

製造業のアウトソーシングの進展で非製造業に対する需要が高まる一方、非製造業の堅調な設備投資で製造業の非製造業に対する依存度が高まるなど、相互依存関係が強まっている。製造業空洞化の影響は、卸売、金融、対事業所サービスなどの非製造業にも及ぼう。今後は、アジアの躍進に伴う貿易黒字の縮小をカバーするため、国際競争力の弱いソフトや観光分野を強化する必要がある。また、自立的な産業基盤の構築のために新分野サービス業を育成しなければならない。例えば、米国では、90年代に情報サービス、人材派遣、ホームヘルスケア、社会福祉サービス、経営管理分野が成長し、雇用の拡大に貢献した。日本も、規制緩和などを通じて、医療・保健・福祉・教育など潜在需要と雇用吸収力が大きい分野の成長を促す必要がある。

 

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