<要旨>

 

金融危機後の米国レバレッジド・ローン市場

 視点

日本では未発達である低格付けの企業が資金調達を行うレバレッジド・ローン市場。米国では信用リスクの高い企業向けローンが、金融機関と企業の相対取引以外に、市場での投資商品として売買されている。
  サブプライムローン問題を契機とした危機が波及し、2008年後半に企業の信用力にかかわらずレバレッジド・ローン価格は急落したが、2009年に入り著しい回復をみせている。
  米国レバレッジド・ローン市場への投資商品は日本でも販売されていることから、資金運用担当者向けに当該市場の動向について紹介することとしたい。
 

 

 

 要旨

    2005年以降にレバレッジド・ローン市場の拡大に弾みがついた背景には、米系の金融機関以外もファンドや証券化商品の一種であるCLOなどへの投資を拡大させ、レバレッジド・ローン市場への資金流入が加速したことなどがある。

    価格急落が発生した背景には、景気の急激な冷込みからレバレッジド・ローンのデフォルト率が急上昇する懸念が強まったという要因もあるが、市場特性に起因するところが大きいと見られる。多くのファンドは、銀行では当たり前となっている資産と負債の期間のミスマッチにより発生するリスク管理を十分に行なっておらず、投資家から資金の返還請求がされた場合、返済原資を確保するために資産を売却する以外の選択肢がなかったことが相場の下落に拍車をかけた。

    レバレッジド・ローン市場も最悪期を脱し、短期的には需給がタイトな状況が続くことが予想される。しかしながら、レバレッジド・ローンは中長期の貸出であるにもかかわらず、中長期の安定した投資資金が不足しているという構造的な問題を抱えている。CLOの資金が投資期間を終了し、流通市場から資金の大量流出が見込まれることに加え、2012年〜2014年にかけてローンが大量に満期償還を迎えるため、巨額の借換え需要が発生することが予想されている。企業の信用力にかかわらず、需給関係の悪化から市場が再び大きく揺らぐ恐れがあることが今後の波乱要因である。

 

 

 

 

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