<要旨>

 

米銀の成長戦略

 視点

「優れた金融機関」の定義は、唯一無二ではない。New York通信第17-3号でいう「超一流銀行の条件」のように、長期間安定した収益率を維持している金融機関こそ優れた金融機関と考える見方もある。一方、株主の力が強い米国では、成長こそが優れた金融機関の条件であるという考え方も根強い。金融機関が成長すれば利益が増え、利益が増えれば株価が上昇し、株主価値が上昇するからである。また、日本の読者から見ても、以前は並の業績であった金融機関が急成長し、利益を増加させていくプロセスには魅力を感じることと思われる。そこで、本稿では、最近5年間に急成長した金融機関は何が違うのか、検証していくこととしたい。

 

 

 要旨

    成長銀行の多くは、成長している地区を基盤としているか、またはそのような地区に進出している。リテールバンキングがリテール(小売)業である以上、立地条件は重要である。

    成長銀行は、非金利収入よりも伝統的な金利収入、特に貸出金を増加させて収入を増やす一方、経費の伸びを抑え、その結果として急激な利益の増加を達成している。

    つまり成長している地区に進出して、自行の得意分野を伸ばすことが成長の基本となっている。

    成長銀行は、店舗数や職員数などのインフラ面を拡大しているが、それ以上に資産や収入を増加させている。つまり成長銀行は、職員一人当たりの収入が多く、一店舗当たりの資産等が大きく、効率的で生産性が高い。

 

キーワード 米国金融機関、生産性

全文を見る