<要旨>

  

協同組織金融機関の未来

 

キーワード  米国金融機関、クレジットユニオン

 

視点

  米国には、日本の信用金庫や信用組合とまったく同じタイプの協同組織金融機関ではないが、クレジットユニオンと呼ばれる信用組合および協同組織的な理念のもと、株式会社形態ではなく、相互会社形態となっている貯蓄金融機関は数多く存在する。日本以上に市場主義が徹底している米国において、そうした協同組織的な金融機関がどのような戦略を持ち、どのようにして大銀行などと差別化を図っているか、については、今後ますます市場主義が強まることが予想される日本の金融界においても、将来像を占なう上で大きなヒントになると思われる。よって、本稿では、米国の協同組織的金融機関の戦略と今後の方向性および信用金庫業界に対する示唆について考察することとしたい。

 

 

要旨

    米国の協同組織的金融機関の平均的な規模は株式会社の銀行等よりも小さいが、特にクレジットユニオンは数多く存在しており、しかも総資産成長率は銀行よりも高い。

    今後の米国の協同組織的金融機関の方向性としては、@金融機関として洗練されていくもの、A特定のニッチに集中して成功するもの、B引き続き協同組織的な理念を守り主に経済的弱者のための金融業務を行うもの、がある一方、C株式会社の銀行等に転換して市場原理に組み込まれていくものもあり、さらにD淘汰され吸収合併等により消滅するものも少なくないと予想される。

    協同組織金融機関として成功するためには、協同組織の理念を持つと同時に、顧客(会員)が誰なのか十分に理解し、収益性が高い得意分野に集中していくというビジネスマインドを併せ持つことが必要である。

 

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