(要旨)

創業支援をめぐる最近の動向

−“普通の創業”のすそ野拡大で信用金庫の活躍機会も増大へ−

キーワード:創業、開業、起業、帯広信用金庫、大地みらい信用金庫、生きがい

 

  1.開廃業率の逆転は現在も継続の公算

90年代以降の開廃業率の逆転(開業率が廃業率を下回る)が指摘されて以来、既に約10年が経過し、経済社会に蔓延する閉塞感は深刻の度合いを増している。2000年前後には一部IT関係者を中心に創業気運の高まりもみられたが、その後の“ネット・バブル崩壊”で気運は後退、開廃業率逆転という状況は現在も解消されていないと推察される。

  2.重要性が再認識され始めた“普通の創業”

「失われた10年」の中で閉塞感や先行き不安感はもはや“日常の姿”となりつつあるが、これを受けて次代を担うべき“創業予備軍”の価値観も、成長・拡大・規模重視から生きがい・自分らしさ重視へ大きく変質している。こうした新しい価値観に基づく創業の多くは日常ごく普通にみられる業種・業態の中ですそ野を広げながら展開されていこう。すでに“普通の創業”の重要性を再認識する動きは、各方面でみられる。

  3.政府の中小企業関連施策もこれまで以上に創業支援に軸足

こうした流れの中で20016月に打ち出された政府の「開業創業倍増プログラム」に沿って、中小企業関連施策もこれまで以上に創業支援に軸足が移りつつある。たとえば、資本金1円でも会社設立を可能とする「中小企業挑戦支援法」の制定(2003年2月施行)など、創業時の資金面での困難性を解消するような創業支援策が次々と実施されている。

  4.着実に広がりをみせる信用金庫による創業支援の動き

創業時の融資についてはその判断においては実績がないだけに難しさを伴う。しかし、最近では地域経済活性化への貢献も視野に入れながら創業支援活動等をより積極的に行う信用金庫の動きが着実に広がっており、注目度も高まりつつある。

  5.“普通の創業”のすそ野拡大で信用金庫の活躍機会も一段と増大へ

創業を巡る環境整備面では、創業しやすい社会風土作りなど、まだまだ克服すべき課題も少なくない。ただ、日常生活の身近なところで起こる“普通の創業”は、雇用創造や地域経済社会構造変革の一翼を担うものとして今後も重要な役割を果たすことは間違いない。このため、地域に密着する信用金庫にはより内容の濃い支援が求められよう。

 

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